高源寺だより 2011年 平成23年正月号

謹んで新春のお喜びを申し上げます

大般若祈祷法要

『大般若経』六百巻を転読する「大般若会」は、古来より五穀豊穣、除災招福等を祈る祈祷法要として伝えられてきました。
現代では、交通安全・安産・合格祈願などの法要も行われています。
しかし、神様仏様に願いを預けているだけでは、必ずしも望みは叶いませんし、幸福はやって来ないでしょう。
『因果経』には、「過去の因を知らんとせば、現在の果を見よ、未来の果を知らんとせぱ、現在の因を見よ」とあります。未来に充実した人生を託すならば、その夢が実現できるような方向性を確立し、今、努力する必要があります。
京都高山寺に住した明恵上人は、「人は、あるべきようは、と云う七文字をたもつべきなり」を記されましたが、これについて、岐阜瑞龍寺専門道場の滴翠軒老大師は、次のように述べられています。
「もし、《あるべきように》であるならば、それは〈その時はこうすべき〉という固定観念だ。上人が《あるべきようは》とされたのは、〈その時その場において何が適切かを考え、臨機応変に善処することが大切だ〉とおっしゃっているのだ」
あなたが大般若会にお参りされる時、何を望み、どのような人生を夢に描かれるでしょうか？その時、あなたの「あるべきようは何か」を敬虔な気持ちで考えてみてはいかがでしょうか。和尚様方の気迫のこもった転読により、考えが180度転換するかもしれません。
京都相国寺の創建開山普明国師は願っておられます。
般若の力に依って当に願わくば衆生とともに
地獄天宮化して仏道を成ぜしめん
(仏さまの智慧によって、皆がまちがった考えを改め、正しい道を歩みますように・・・)
「大般若会」を、仏様の願いを聞く機会にして頂いてはいかがでしょうか。そして、願いを成就するにしても、平安無事を願うにしても、自分の道を見出すべき正しい道を見出す機縁にしていただきたいものです。
『あるべきようは』臨済宗妙心寺派教化センター発行より

◎大般若祈祷法要
・平成23年2月1日
・午前10時より「催し・演奏会」
・午前11時より「大般若祈祷法要」
※申し込みは1月25日までにお願いします

 四国八十八ケ所巡礼の旅について(住職記)